犬の消化システムは少し人間と違っています。
わたし達の消化は、食べ物を歯によって噛み砕き、唾液と混合することによって
すでに口の中から始まります。
食べものをよく噛まないで飲み込むと、その分消化ができず、胃に負担をかけ、それが全身に影響することになります。
人間にとって、”よく噛むこと” は健康の秘訣です。
でも、犬は違います。
犬の歯は肉を引き裂いたり、小さな塊に切るのに適した裂肉歯という構造で、
臼歯ですりつぶすことはできません。
草と違って肉には硬い繊維がないので、噛まないでも消化されるからなのです。
つまり、犬の消化は口からではなく、胃から始まります。
犬の消化についてまとめてみました。
口・・・人間と違って、犬は唾液中に消化酵素を分泌する機能が存在しません。
口では食べ物を切り裂き、飲み込むだけです。
胃・・・消化のスタート。
犬の胃酸(Ph1)は強力で、ほとんどの細菌を殺してしまいます。
カットされ、塊で入ってきた肉はゆっくり時間をかけて消化されるので内臓に負担がかかりません。
一方、ドライフードはふやけてすぐ液状になるため、胃から腸になだれ込み内臓に一気に負担を掛けてしまいます。
このため食物繊維を添加しないと腎臓を早く疲弊させるだけでなく糖尿病のリスクも増大させるので、食物繊維は必須となっています。
犬は炭水化物の消化能力が低く、デンプンを分解するのに必要なアミラーゼという酵素の活性が低いです。
穀物中心の食事を続けると、膵臓に負担がかかったり
未消化の炭水化物が大腸でガスを発生させることがあります。
また、野菜のセルロース(細胞壁)は分解して消化することができません。
野菜をそのまま与えても栄養は吸収しづらいので、野菜はペーストにするか、小さく切ってしっかり火を通すのがおすすめです。
腸・・・消化、分解、吸収、代謝を担当。
草食動物は穀物や食物繊維の多い野菜をゆっくり消化するため 腸は長めです。
犬は消化率の良い肉類を食べるため、腸は短くなっています。
長く留まると腐敗しやすい肉を短い腸管で大量の消化酵素を利用して栄養分を吸収します。
肉類が持つ尿酸や尿素といった毒素、また有害菌は問題を起こす前に排出します。
食物繊維が多いと腸内での滞留が長くなり、便は細菌によって腐敗し、臭くなる傾向にあります。
こうしてみると、犬の消化システムは、肉類を消化するために適した構造になっていることがよくわかります。
犬の身体に負担のかからないごはんは、穀物(植物)ベースではなく、肉類ベースのものなのです。
ペットフードの場合は、原材料の含有量をチェックしてみましょう。
通常、重量の多い順に原材料は並べてあります。
最初から3つ目までの原材料成分表に表示されているのは何でしょうか?
ペットフードを選ぶ際は 原材料とそのパーセンテージにも注目することが大切です。
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